KDDIと早大、歌詞に適した写真をネット上から収集するシステムを開発

KDDI研究所と早稲田大学による研究グループは、歌詞の雰囲気に適した写真をインターネット上から収集し、効果的に楽曲と同期させて再生することが可能な楽曲スライドショー自動生成システムを開発したことを明らかにした。

一般的に、音楽と写真を連携させた楽曲スライドショーでは楽曲の雰囲気に適した写真を効果的に同期させて再生することで、空間を彩る魅力的なスライドショーを作成することができるが、個人がこのようなスライドショーを作成するためには、市販のソフトを利用して適切な写真の収集や選定に加え、切換えタイミングの調整などの作業に労力を要する必要があった。

今回、研究グループが開発したシステムでは、楽曲の歌詞を解析し、楽曲の雰囲気に適していると判断される良質な写真をインターネット上から自動で検索し、楽曲と同期させて再生する楽曲スライドショーを自動で作成することが可能。

具体的な手法としては、まず歌詞全体から季節や時間帯などの印象情報を推定し、それを元に楽曲の進行に同期した良質な写真をFlickrなどのタグ付き写真共有サイトから収集するための検索キーワード抽出、そして収集したタグ付き写真からの印象に合致した写真の自動選定し、最後に歌詞の進行に同期した写真切替タイミング制御などを行うことで、良質なスライドショーの自動生成を実現した。

これにより、従来の課題であった制作作業に要する時間の短縮が可能となり、個人が手軽に楽曲スライドショーを作成することが可能になると研究グループでは説明している。また、同システムの性能検証のため、一般の20〜50代の男女一般42名を対象として、歌詞に含まれる単語を用いて写真を検索する従来方式との比較実験を行っており、結果として約8割の被験者が、提案システムによって作成された楽曲スライドショーの方が歌詞の情景に適しているなど、完成度が高いと評価したという。

今回開発されたシステムを用いることで、個人が購入した歌詞付きの楽曲を良質なスライドショーとともに楽しむことが可能になるほか、スライドショーに自身の写真を織り交ぜて音楽とともに楽しむなど、新たなマルチメディアコンテンツを手軽に作成することができると研究グループではその活用方法を説明しており、今後はシステム動作の高速化を図め、デジタルフォトフレームスマートフォンなどの携帯端末上での楽曲スライドショーアプリとして実用化に向けた検討を進める予定としている。

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